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2016年5 月24日 (火)

EGFRターゲティング抗がん薬の耐性発現メカ

EGFRターゲティング抗がん薬の耐性発現メカ

Nature Med. 3月号から。Misakiちゃんのプレゼン。非小細胞肺がんに対してEGFRを阻害するゲフィニティブやエルロチニブなどの抗がん薬が使用されるが、耐性の獲得が問題となっている。この耐性には、がん細胞の50-60%でEGFRT790M変異を生じていることが関係していることも分かってきていた。この論文において耐性獲得機序を明らかにした。そのメカニズムには、2つあるという。ひとつは、早期の耐性に関わる、がん組織に既に存在していたEGFRT790M変異型細胞が少数存在していたものが、優位になり、他の細胞を淘汰した結果であると言うメカニズムと、もうひとつは、抗がん薬を長期に使用している状況による、後期の耐性に関わる、新たに発生したEGFRT790M変異型細胞の出現(進化と表現している)によるメカニズムであるという。第3世代のEGFR阻害薬であるWZ24002とnavitoclax(BCL-xL、BCL-2のダブル阻害薬)の併用により、EGFRT790M変異を有する耐性細胞をアポトーシス誘導により死滅させるという。臨床との関連も示唆するデータもあり、今後の治療に新たな示唆を与えるだろう。

 

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