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2016年1 月19日 (火)

精子の成熟にWnt/STOPシグナルが関与

精子の成熟にWnt/STOPシグナルが関与

Cellの11月号から。Tsureくんのプレゼン。精巣上体由来のWntがGSK3の阻害を介して、精子の成熟を促進していることを明らかにした論文。Wnt/β-catenin経路は発生や細胞増殖などの細胞の運命決定に重要であり、そのメカニズムとしてβ-cateninによる遺伝子発現制御が関わっていることはよく調べられている。一方、Wnt/STOP signalingと呼ばれるβ-catenin非依存的なタンパク質安定化経路が明らかになってきているが、この経路の役割を調べることは、常にβ-cateninの転写活性化作用を除外できないため、困難であった。著者らは、転写機能が全く起こっていない精子に着目し、Wnt/STOP signalingの関与について調べた。その結果、このWnt/STOP signalingは、精巣上体から放出されるWntにより、GSK3の阻害を介して、精子の成熟を促進する(基質のリン酸化によるプロテアソーム分解を阻害、精子の細胞骨格の破壊の抑制、運動能の低下を抑制することによる)ことがわかったという。生体のひとつの謎が解けたように思う。

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