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2015年9 月18日 (金)

ウイルス感染時のCOPD急性憎悪とタバコ煙による免疫システム制御

ウイルス感染時のCOPD急性憎悪とタバコ煙による免疫システム制御

Immunity 3月号から。学部3年のKojiharuの最初のセミナー。タバコとCOPDの発症は密接に関わっている。COPD患者がインフルエンザウイルス感染を起こすと急性憎悪となることが臨床的な大きな問題であるという。本論文において、タバコ煙が肺胞2型上皮細胞におけるIL-33の発現をあげ、インフルエンザウイルスが感染して初めてIL-33が放出されること、タバコ煙がTh1系であるマクロファージおよびNK細胞におけるST2発現(IL-33の受容体)を増加させ、Th2系のILC2(自然リンパ球グループ2:抗原特異的な受容体をもたない、特徴的なサイトカインを産生する細胞のうち、IL-5、IL-13を産生する細胞)上のST2発現は抑制されること、そして、肺胞2型上皮細胞由来のIL-33によりTh1系細胞由来のIFN-γが産生され、急性憎悪が起こるということが示された。ヒトの上皮細胞および臨床的な知見も併せて示されている。ポイントは、IL-33のTh1とTH2のバランスにタバコが影響することか。この論文で気になる点は、タバコが4週間暴露であり、肺気腫などが起こっていない急性モデルであること、BALB/cだからこの現象が認められたのではないかということである。しっかりしたナイスプレゼン。

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