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2014年11 月30日 (日)

その後

その後

金曜日の7時からの通夜にも多くの卒業生が駆けつけてきました。Saito君は夕方の便で入り、翌朝の便で学会に向ってくれました。土曜日に用がある人たちが駆けつけてきました。会場の外まで長い長い列。供花が式場一杯に並んでいました。薬学部のサークルからの供花も沢山ありました。

  金曜日の夕方にラガーのママから電話があり、「Kai先生、弔辞をお願い」と。「涙で何言っているかわからなくなるかもよ」、「Kai先生はそうかもね。でも、先生にやってほしいし、マスターも喜ぶから」と。。そして、土曜日の朝から大学で、その文面を考えました。思いが色々とありすぎて、どうまとめれば良いか分からなくなるほどでした。また、文面を考えながらも涙が流れていました。そして、本番。マスターに向って、飾ること無く素直な言葉を贈ることにしました。しっかりと言葉を伝えるつもりが、最初から涙で、言葉に詰まり、声がこもってしまいました。しかし、マスターから最後の力をもらいながら、感謝の言葉を心を込めて、最後まで伝えることができました。葬儀に来れなかった卒業生や在校生にも、私が用意していた弔辞を以下に示します。最初は、文面通りには、話すことはできませんでしたが、、。皆を代表してお礼をしたつもりです。

「マスター、見えているよね、マスターが大好きな花が沢山届いたよ。薬学部の現役の学生達も小遣いを出しあって、マスターのために花を届けたいと言ってくれたよ。学生達は、本当に心より感謝しています。ラガーでは、一人暮らしの学生達のことを考え、ランチも栄養のバランスを考えながら、価格は長年、そのまま維持して、本当に頑張っていましたね。学生のコンパのたびに、マスターが差し入れてくれる沢山のサンドイッチ。中には、「あたり」とかいって、からしがたっぷりのサンドイッチを一個作って混ぜて、楽しんでいましたね。学生達にとって、マスターは、親であり、友人であり、心の先生でもありました。また、自他ともに認める薬学部の裏の学部長でした。学生達の結婚式に何度も何度も招待されていましたね。

  お世話になりました多くの学生、卒業生にかわり、御礼を申し上げます。喫茶店ラガーのマスターとして多くの学生に慕われた30数年、親元を離れた学生達のオアシスのような空間を作って頂き、現役の学生だけでなく、卒業した学生達に対しても、親以上に、真剣に相談相手になって頂きました。マスター、本当にありがとうございました。これからも天国から見守り、私達を励まし続けて下さい。

   私とは、今週の月曜日の病室での語らいが最後の直接の会話でしたね。最後の最後まで、自分のことより、大好きな周りの人のことばかり。九十五歳とは思えないほど、本当にお元気なおばあちゃん、国学院大学で大活躍中のお兄さん、銀行での活躍中の長男、尚君、KDDIでの活躍中の長女、ケイコちゃん、そして、世界で活躍中のとおる君、などなど、最後の最後まで、マスターは、家族全員のことを心から誇りに思い、そして、自分のがんによる痛みがどんなにひどくても、まずは周りの人のことばかり気にかけていました。最後の最後まで、マスターらしい素晴らしい人生の生き方でした。色々と、本当にお世話になりました。本当にありがとうございました。

   マスターが、心より、目一杯、愛していたママ、キヨチャンは、みんなで支えていきます。安心して、天国から見守っていて下さい。マスターの携帯番号はいつまでもそのまま残しているから、何かあったら、また電話して下さい。マスター。坂口吉文様、本当にありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りください。」

 

  告別式は、日本各地から多くの卒業生が駆けつけてきていました。幼子を連れてきた卒業生もいました。多くの卒業生が見送ってくれました。本当に涙、涙でした。出棺後は、Nagayama君と一緒に、皆を代表するつもりで、ご親族と共に、火葬場に行き、マスターの遺骨を箸で拾い上げて骨壺におさめてきました。ママがマスターのお顔にすり寄せ、声をあげて、最後のお別れをしている姿は何ともいえない、本当に悲しいものでした。お二人が心より深く深く愛し合っていた素晴らしい夫婦であったことを改めて実感しました。どんな言葉を使ってもその様子は言葉で本当に表現できません。これこそ真の夫婦であることを、最後の最後に、再び、マスターが皆に教えてくれたようにも思います。本当にありがとう、マスター。。。

 

 

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