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2014年5 月14日 (水)

A群溶連菌の増殖に影響する宿主細胞由来のアスパラギン

A群溶連菌の増殖に影響する宿主細胞由来のアスパラギン

Cellの1月号から。Nomanの紹介。様々な感染症に関わるextracellular pathogenic bacterium group A Streptococus (GAS)はかなり身近な病原菌である。ペニシリンが有効であるが、宿主細胞が関わるGAS増殖メカニズムは全く知られていなかった。今回の論文において、GASが宿主細胞に接触すると、GAS由来のストレプトリジンS (SLS)、ストレプトリジンO (SLO)が細胞内に放出され、ERストレスを誘導し、その結果、Asparagine synthetaseの発現が増加し、Asparagineが産生される。そのAsparagineが細胞外に分泌され、GASの遺伝子発現に影響し、GASの増殖が促されるという。Asparaginaseという分解酵素を投与することにより感染症による死亡を抑制できるという。なぜ、アスパラギンに注目したのかという点であるが、宿主細胞の培養液の違いにより、GASの増殖(silという自己誘導遺伝子座の活性化を指標の系を用いて)に違いが出てきたことから、培養液の成分の中にあることを気づいたらしい。実験条件によってデータが異なる時に、用いている培養液や胎児血清の中の成分に何かヒントがないか注意を払うことも重要であろう。

 

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