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2014年2 月 4日 (火)

Herpチューニング

Herpチューニング

Mol.Cell.2013 12月号から、Chosaの紹介。変異タンパク質が小胞体に蓄積されてくるとUPRが誘導され、細胞あるいは生体を守る機能が働くが、今回の論文は、その機能が働くより先に、変異タンパク質を効率よく分解する新たな機構が存在することを明らかにした。小胞体の中でターンオーバーが早いタンパク質として、Herp(半減期1時間)があった。これは、HRD1 complexと協調して、変異タンパク質のERAD分解を行う。この論文の面白いところは、変異タンパク質が蓄積していない時は、HerpはRNF5,Ubc6eによって分解されているが、変異タンパク質が蓄積し始めるとHerpがHRD1とcomplexを形成し、RNF5,Ubc6eによる分解を受けなくなるという。変異タンパク質が蓄積し始めるところをHerpがどう認識しているのだろうか?Herpが変異タンパク質をHRD1 complexへ運ぶシャトル分子の役割と考えると面白い。ただ、Herp分子数に比べ、変異タンパク質分子が過剰になるとこの機能は飽和し、次のステップであるUPRに頼るようになるのだろう、UPRにいく前に、このような機構が事前に関与してくれているとは、細胞の多重の危機管理システムは素晴らしいものである。 

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