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2014年2 月 8日 (土)

腸内細菌の改善が精神発達障害の悪化を抑制!?

腸内細菌の改善が精神発達障害の悪化を抑制!?

腸内細菌の異常と、種々の疾患との関連が示されてきているが、今回のCell, 12月号に紹介された論文は、自閉症やアスペルガー症候群の病態の程度にも影響していることをマウスで示している。今回の論文では、妊娠中の女性がウイルスに感染すると自閉症の子どもを出産するリスクが増加するという過去の知見を基に、妊娠マウスにpolyICを投与し、生まれて来た子どもが自閉症様行動を示すマウスになるというモデルを用いて種々検討している。このモデルマウスにおいても腸内細菌のパターンが変化しており、それが、腸内常在菌B. faragilisを与えることにより、腸内細菌が正常のパターンになり、かつ、行動異常も抑えられているという。さらに、異常マウスにおいてはClostridium sppの代謝産物である4EPS (4-ethylphenyl sulfate)が血中に多く、この物質をマウスに投与しても同様な行動異常を起こすことから腸内細菌由来の原因物質と考えられるという。臨床試験において、腸内環境を整えることだけで、症状の程度が軽くなれば大変有用な知見となろう。D1のTasaki君のナイスプレゼン。

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