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2013年7 月 9日 (火)

IL-17とループス糸球体腎炎

IL-17とループス糸球体腎炎

Cell Immunityから、創薬生命薬科学科3年のMisatoちゃんの初プレゼン。IL-17というサイトカインがループス糸球体腎炎発症に関わっていることを証明した論文。ループス糸球体腎炎は全身性エリトマトーデスという全身性自己免疫疾患患者の約50〜80%で発症するという。治療には一般に副腎皮質ステロイド薬が用いられていたが、副作用が強く、最近では、生物学的製剤でB細胞を直接攻撃することが行われていたが、効果として不十分であるという。これまで、全身性エリトマトーデス患者の血清中IL-17濃度の増加とループス糸球体腎炎の悪化が相関することが知られていた。本研究により、ループス腎炎や抗糸球体基底膜疾患の治療ターゲットとして、IL-17-CIKS (IL-17受容体のアダプター分子)シグナルが有用であることが示された。IL-17のうち、IL-17A, F, Cがそれぞれに病態悪化に関与しているという。IL-17KOやCIKS KOで生存率が上がっていたが、ヘテロは影響がなかったため、創薬ターゲットとして適しているかはわからない。ただ、IL-17受容体抗体はトライする価値があるのかも。第1回目のセミナーとは思えない、ナイスプレゼンでした。
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