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2013年6 月18日 (火)

GLP-1受容体作動薬の血圧降下作用のメカ

GLP-1受容体作動薬の血圧降下作用のメカ

Nature Med. 5月号から。Taniguchyのプレゼン。新しい2型糖尿病治療薬として、GLP-1受容体作動薬の有用性は認められている(低血糖の副作用が少ない)が、最近、高血圧症を合併した2型糖尿病患者の血圧を下げるという臨床報告が散見されている。このメカニズムが今回、解明されたという内容である。GLP-1受容体作動薬による血圧低下作用には、GLP-1が心房に局在するGLP-1受容体に作用し、心房の心筋細胞のcAMPを増加させ、Epac2の形質膜移行を促進し、心房性ナトリウム利尿ペプチドの分泌を促すというメカニズムが関与していることが種々のノックアウトマウスなどを用いて明らかになった。心房性ナトリウム利尿ペプチドは血管平滑筋の弛緩作用だけでなくナトリウム利尿作用があるため血圧を下げるという。この血圧低下作用の程度が臨床的にどの程度意味がある作用なのかについて今ひとつはっきりしていない。マイルドな効果のようにも思える。

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