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2012年10 月17日 (水)

抗ガン薬の効果をさらに高めるために

抗ガン薬の効果をさらに高めるために

Nature Immunology 9月号から。学部3年のokita君のプレゼン。がん組織中の樹状細胞において、TIM-3が高発現していることが明らかになり、このTIM-3は、抗ガン薬などでダメージを受けたガン細胞から産生されてくるHMGB1をトラップすることにより、ガン細胞から産生される核酸とHMGB1の相互作用が相対的に抑制される。すると、核酸とHMGB1の複合体が減り、核酸の細胞内への取り込みが抑制され、樹状細胞における自然免疫が活性化されず、抗ガン薬の腫瘍免疫を介した2次的な効果が認められなくなるという。この論文では、TIM-3抗体をシスプラチンと併用することで、抗ガン作用を顕著に増強していることを示している。さらに、がん組織中の樹状細胞においてTIM-3の発現が特異的に高くなるメカニズムには、ガン細胞由来のVEGF、IL-10、arginase 1が関与しており、これらの阻害薬により抑制されることで裏付けている。他のグループにより、TIM-3は白血病幹細胞に特異的に発現していることが報告されていることから、今後、注目されていく創薬ターゲット分子であろう。副作用も少ないようにも思う。
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