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2011年7 月20日 (水)

親のストレスが非メンデル遺伝的に子に遺伝するメカ

親のストレスが非メンデル遺伝的に子に遺伝するメカ

大変面白い研究内容が筑波の理化学研究所から発表された。Cellの6月号に掲載。M2の福田君が紹介。

結論は、「ストレスによる遺伝子発現の変化が、DNA配列の変化を伴わず(エピジェネティク)に親から子供に遺伝する」、という新たなメカニズムを発見したということ。ショウジョウバエの転写因子dATF-2 が、転写が不活発なヘテロクロマチン構造の形成に不可欠であるが、熱ストレスや浸透圧ストレスでリン酸化されると、ヘテロクロマチン構造を弛緩して転写を活発にし、その状態が子供に遺伝するという。さらに、親が受けたストレスの影響は子供にだけ遺伝し、孫には遺伝しないという。また、二世代にわたってストレスを受けると子供だけでなく孫にまで伝わり、その後、何世代にも遺伝する可能性があるという。この研究は、ストレスが影響する非メンデル遺伝学のメカニズムを初めて解明しただけでなく、親の受けたストレスが子供の疾患発症頻度にも影響する可能性を示す成果としてかなり注目されている。面白いsign03

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