PAGE TOP

2011年6 月28日 (火)

肝臓における脂質代謝

肝臓における脂質代謝

Cell Metabolism 4月号から。Koyama君。

PPARαは脂質代謝を促進する転写因子であるが、この転写因子の作用をTBL1、TBLR1という転写補助因子が促進していることが分かり、このTBL1、TBLR1を肝臓特異的ノックダウンすると高トリグリセリド血症と脂肪肝になるという.また、脂肪肝を有するマウスにおいては、TBL1が低下しているという。PPARαは、病態において、発現量は変わらないが、TBL1は低下している。その結果、PPARαの転写活性は低下している。ということはPPARαの外因性リガンドであるフィブラート系の薬物は通常有効であるが(TBL1、TBLR1をノックダウンした高脂肪食負荷マウスにフィブラート系の薬物は、モデルが強いため効果は弱いが、まだ有効であるという)、もし、PPARαの発現が低下しているような状況ではフィブラート系の薬物は効きにくくなるということは起こりうるのだろう。

 

 

ご意見メール
clear_both