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2010年10 月15日 (金)

論文受理

論文受理

昨夜、メールが入り、色々なジャーナルにチャレンジしていた遠征中の論文が遂に落ち着きました.橋本やすくんの博士学位論文の内容の一部を論文にしたものがLab.Invest.に受理されました.嚢胞性線維症の原因タンパク質であるCFTRが皮膚の掻痒に関与するというトピック性のある内容です.CFTRの役割としては、気道上皮細胞においてイオンの輸送に関わり、気道の分泌液の性状を制御したり、自然免疫分子の発現を制御したりすることは知られていました.また、皮膚の汗腺にもCFTRが存在し、嚢胞性線維症患者の汗の塩分濃度がかなり高くなることは有名でした.マウスの皮膚には汗腺はないので、ヒトとは異なり、また、嚢胞性線維症患者における掻痒の報告が少ないことが議論の争点でした。平均寿命30数才の嚢胞性線維症の患者の呼吸器ならびに消化器系の症状とCFTRの関連性がCF研究の主題でしたので、この論文をきっかけに嚢胞性線維症の皮膚症状に関する臨床報告が増えてくるのではと期待しています.また、CFTRのイオン輸送をも阻害する市販のチャンネルブロッカーの副作用として皮膚掻痒があるので、何らかの関連があるかもしれないとも思っています.本研究は、全く異なるプロジェクトで動物実験を行なっている最中に、CFマウスが体を掻くようだという実験者の偶然の発見というセレンディピティからスタートしたプロジェクトであります。日頃から、広くて鋭い視点で物事を観察し、考える癖をつけることは大切ですね.

 

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