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2009年10 月 1日 (木)

欧米か!

欧米か!

食事の欧米化と大腸がんの発生の関連については今まで多くの議論がなされてきた。今朝のNat.Medの論文は先月号に発表された最新のものであるが、重要な示唆を与える面白い研究成果であった。ヒトの腸内常在菌のうち、90%を占めるBacteroides fragilisがメタロプロテアーゼ毒素を産生するようになると、遺伝的にガンになりやすい変異があるマウスは、獲得免疫系のTh17経路を介して、大腸の腫瘍形成を促進するという。遺伝的にガンになりやすい変異がないマウスでは、炎症性の変化だけが認められていた。今まで、メタロプロテアーゼ毒素を産生するBacteroides fragilisが大腸がんの患者の腸内に多いこと,動物性脂肪の摂取でこの細菌が増殖しやすいこと、などが報告されているという。しかも、この菌は、欧米人より日本人に多いという。日本人が欧米化した食事をすることで、大腸がんの発生が増えてきたことを示唆する重要な知見のひとつのように思えた。ヨーグルトの摂取はどうだろうか、豚バラの焼き鳥は控えようかという意見等がセミナーの後で出ていたwink。色々とよく調べていたKomune君のプレゼンでした。

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