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2009年7 月 7日 (火)

クローン病とIL-10

クローン病とIL-10

Nature Immunol.の4月号に掲載されていたクローン病に関する内容が今朝の話題.クローン病患者の30-50%にNOD2変異が存在するという.その変異の中でもフレームシフト変異であるNOD2(3020insC)は、腸内細菌等に由来するリガンドにより直接的に活性化されないにも関わらず、クローン病リスクを上げるという謎の変異だった.このメカニズムがクリアに明らかにされた画期的な知見である.NOD2(3020insC)は、変異無しのNOD2と同様に、p38MAPKとは相互作用できるが,hnRNP-A1という転写因子とは相互作用できない性質をもつことがわかった。通常,hnRNP-A1という転写因子は、NOD2-p38MAPKと相互作用し,リン酸化を受け,核内に移動し、転写因子として機能する.そのターゲット遺伝子が、免疫抑制性サイトカインであるIL-10である。すなわち、NOD2(3020insC)では、hnRNP-A1がリン酸化されないため核内に移行せず,IL-10の産生が低下し,免疫反応が過剰状態になりやすいという。クローン病は、遺伝的因子とともに、環境因子が発症に大きく関わっているという.NOD2(3020insC)を有する患者さんにおいては、元々IL-10産生が少なく、健常人において対応できる程度の免疫賦活性の環境因子に対して、感受性が高くなっているために、免疫過剰反応による炎症が起こってしまうのかもしれない.aiちゃん、ナイスプレゼンでした.


ここ最近の熊本の天気は、散発的な雨があり、ムシムシした日々かと思えば,今朝は涼しい風が吹く等、よくわからない状況ですcloudrainsun.スカッとしない天気は、気分も憂うつになってしまいます.今日は七夕ですが,空には雲が広がっており,星は期待できないですね.熊本市内では、町の光の散乱により、見える星は限られますが,俵山や阿蘇まで行くと沢山の星を鑑賞できますnight。幼い頃に眺めていた、椎葉の空一杯の星を思い出しますthink


ラガーの還暦祝いの参加者の写真を新たにアップしています.雰囲気を感じてください。

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