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2009年5 月21日 (木)

台風並の風

台風並の風

外は台風並の強風です.もうすぐ雨が降り出します.さて、今朝のセミナーは、急遽変更し、最近、私が録画したNHKの番組を見せました.その番組は抗うつ薬による治療の現状についてです。その番組では、副作用も考慮せずに抗うつ薬,抗不安薬などを何種類も処方し、うつ症状がよりひどくなり長引いている患者たちを紹介し,そして、それは、精神科医の治療倫理のなさと専門的な力不足が主な原因であり、弱者の患者たちがもがき苦しんでいるという実話でした.抗うつ薬の認可のための臨床試験では、単一薬での有効性を判定して許可しているにも関わらず,現場ではいくつもの薬を併用して処方しているという。併用して効果の増大が期待できるかという科学的根拠もないのに。また、メンタルクリニックは他の科に比べて開業に費用がかからないことから、精神科を専門にしていない、多くの医師が参入してきているという.ということで、まずは自分の体は自分で守るために、信頼できる医師を探すことが最も重要だが、実際,素人には難しい.この番組の中で,私が大変残念に思ったのは、薬剤師が、その番組に一言も出て来なかったことであり、私から見れば,薬剤師も共犯だということ。薬局で薬を出す時に、薬の専門家として患者を守ることが重要な役目。

今,世の中があまりにもビジネス的に回っていることの弊害があらゆるところにひずみとして現れてきているのではないだろうか。ルネサンス時代の医師パラケルススの言葉に「医療の根本は愛」がある.同様に、「社会の根本は愛」「家族の根本は愛」という気持ちを皆が持つことで、最近の諸々の悲惨な事件は発生しなくなるのではないだろうか。そして「ラボの根本も愛」だと思う.まるで原監督のようですね。

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