今朝のセミナーもNature Med.3月号のオートファジーを刺激できれば、結核菌ワクチンの効果を強めるという話.結核菌の表面に存在するAg85 Bという抗原を過剰発現したり,ラパマイシンの投与により,オートファジーを誘導するとワクチン効果を増強するという発見.大人になってからのワクチン効果は弱いという問題点を改善する可能性があるという。実用化まで行けるかについて注目したい。ケンちゃん、多くの論文をしっかり読んでいる。もう少し、自信もって、語尾を明確にすると、かなり良いプレゼンになるのでは.力付けてきているなあ.その調子で頑張れ。
2009年5 月12日 (火)
2009年5 月11日 (月)
サブスタンスPが損傷治癒を
今朝のセミナーはNature Med.4月掲載のサブスタンスPに関わる論文.過去に、糖尿病モデルラットにおいて、サブスタンスPが角膜損傷治癒を促進する報告と、サブスタンスPが骨髄のNK1受容体を介して造血幹細胞の分化、増殖を促進するという報告をもとに、損傷時の血液中のサブスタンスPの役割を証明したもの。静脈内投与のサブスタンスPがCD29+ストローマ様細胞を動員し,損傷治癒を促進するという。創薬的には応用が困難と思うが,逆に,NK1受容体拮抗薬の副作用という観点から今後、注目してみたい.今日は、M2のエリちゃんの発表.わかりやすいプレゼンであった。
今日から毎年恒例のソフトボール大会が始まった.昨年,栄光の優勝だったので、開会式にて私が優勝カップを返還した.優勝カップが戻ってくるのは何十年先かと思い,飲み会の度にカップで冷たいビールを飲んだものだった。カップが良く冷えるため、カップに口を付けた時の冷たさは何とも言えなかった.本気でレプリカを作ろうかと思っているくらい.夕方は、Bチームが早速試合で、相手チームの学部長の大活躍で,惜しくも負けてしまいました.予想以上の好ゲームでした.お疲れさま.
Aチームは予定では今週の金曜日の昼。相手は何と全員野球部という薬剤A。昨年、引き分けで我々がジャンケン勝ちしてしまったので、圧倒しにくるのは必至。ニコニコ楽しくやれたら良いなあ.1年に1回、この時にしかバットを握らないので、いつもうまくやれるか不安です.ソフトでの飛距離は私の年齢のバロメーター。学生にはまだまだ負けていないつもり。
投稿情報: 19:25 | 個別ページ
2009年5 月 7日 (木)
今日のNature
本日公開のNature誌に創薬に関する話題があった。前回のブログにもあったヒストン脱アセチル化酵素のファミリーのひとつであるHDAC2についてである。HDAC2の特異的な阻害薬が記憶力増進に有効である可能性を、HDAC2の阻害薬、ニューロン特異的な高発現マウスやノックアウトマウスを使ってきれいに証明している.記憶障害を伴う疾患に対する薬になるだけでなく、受験生などにも嬉しい話だろう.酵素阻害薬であることも創薬的に魅力。これまで、非特異的なHDAC阻害薬が記憶増強に関わることは知られていたが,HDACのファミリーのどのタイプが関与しているかはわかっていなかった。HDAC2はニューロンに多く存在するということ、さらには、S-NO化などの翻訳後修飾を受けることなどが、HDAC1とは異なる表現型を示すのかもしれない。HDAC2の特異的な阻害薬は副作用も少なく有望かも。この論文は,Supplementary Figもかなり多く、読み応えがあるが、ノックアウトマウスのヘテロマウスのファンクショナルアッセイの結果が示されていないのが気になる.発現が半分になった時に効果が現れているかのデータは、創薬の際,薬で50%抑制すれば効果が現れるのか、100%抑制しないと効果が現れないのかということを判断する上で重要である.創薬研究者は、論文を読む時,ホモではなく、ヘテロの結果がどうかを常に意識すべきであることは学生たちにいつも伝えている.ただ、メカニズムがどうであれ、薬が効けばよいのも事実.今後,この論文の内容に関する動向を注目してみたい。
投稿情報: 10:17 | 個別ページ
2009年5 月 1日 (金)
今週の朝ゼミ感想とたくみ君と初対面
今週は四年生達の朝ゼミでした。火曜日は不運にも急な出張で聞けなかった。福田君ごめんなさい。月曜日のともみちゃんは慢性ウイルス感染モデルにおいてウイルスがTh17細胞を誘導することでウイルス排除機構を抑制していることを明らかにした論文を紹介した.ウイルス感染に対して耐性を示すマウスにLPSを処理することによりウイルス感染に感受性を示すようになるところが面白い.その他のウイルス感染時においてもTh17細胞が誘導されていることが報告されていることから,IL-17を抑制することにより様々なウイルス感染の慢性化を抑制できるかもという話。木曜日はまつやましんが担当.新たな脂肪分解経路としてマクロリポファジーを提唱しているNature論文。マクロリポファジーは脂肪をオートファジーすることを指す.この論文はオートファジーを起こさなくしたマウスにおいて脂肪肝様の肝肥大化が見られたという過去の知見をin vitroおよびin vivo(肝臓におけるオートファジーのみを抑制したマウス)の実験で明確にしたものである。金曜日は、ゆかりんが担当.ヒストン脱アセチル化酵素であるSirt6の欠損マウスにおいて寿命の短縮とともに老化促進の表現型を示すという過去の知見の制御メカニズムのひとつが、NFkB経路の抑制であり、Sirt6が直接p65と結合しNFkBの作用領域選択的にクロマチンの凝集を引き起こすという.Sirt6欠損マウスのp65をヘテロにすることで寿命が延長している知見は美しい.今週の朝ゼミを担当した4年生たちは、プレゼン、質疑ともに、かなり高いレベルであり,今後もこの調子で頑張ると良い線行くぞ.
GWということで休暇をとって里帰りしたハラディー&かおり&たくみファミリーが研究室に訪ねてきた。たくみ君は研究室に訪ねてきた時は寝起きということもあり、また、人見知りをするということで、誰があやそうとしても大きな声で泣いていた.ふと思った.この大声、どこかで聞いたことがあると。そう、それは、ハラディが学生の頃にカラオケで「アー、アー」と叫んで歌になっていなかった時と同じ.遺伝子は確かに受け継がれている。この後,昼食を一緒にした時は、たくみ君は大変ご機嫌になった。そして、私の方をみて言葉を発しだした。「じいちゃん、じいちゃん」と。えーっ、初孫かい!
投稿情報: 16:19 | 個別ページ